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考え方

「色」が大事

「色」を意識する

 日本語教師の皆さん、「色」を意識したことがありますか?
授業やレッスンで使う教材作りをデジタルで作成することが珍しくなくなった昨今、少しでも「色」を意識して使うだけでオリジナル教材が見違えるほどに変化します。その教材を使えば、モノクロの教材よりも生徒の学習意欲を高める手助けとなり、何よりもレッスンが華やかで楽しくなります。

感受性を高める

 美しい景色を見た時、すてきな服を見つけた時、おいしそうな料理を目の前にした時、私たちはワクワク楽しい気持ちになります。日本語学習の時、このワクワク感を使わない手はありません。言語学習は「話す」「聞く」だけではなく「見る」「読む」動作も加わって向上していきます。(もちろん「書く」も大事ですね。)板書を含めた教材の大切さを今一度「色」を基準にして再考していきましょう。

オリジナル教材&板書を作ろう!

 では、どうやって色を取り入れればいいのでしょうか?一番大事なことは色の組み合わせを考えることです。まず、一般的に多く見られる教材や板書の色の使い分けとしては以下の例が見られます。

動詞の時制 板書例1

(1)文字の色 ➡ 黒
(2)大事な部分の文字の色、又はアンダーライン等 ➡ 赤


 では、ここに「色」を足してみましょう。

動詞の時制 板書例2



(3)枠 ➡ オレンジ
(4)枠の中の色 ➡ 薄い黄色

オレンジと黄色のように同系色の組み合わせはとても綺麗です。また文字やアンダーラインの赤もオレンジと黄色の同系色なのでトリプルカラーできれいにまとまりました。色の配分は枠を濃いめの色にして枠の中の背景色を薄い色で組み合わせるだけで変化があらわれます。そしてオレンジと黄色はビタミンカラーで元気が出ますね。

 文法導入の教材を作成準備するのであれば、色の配置をアレンジすることができますし、また、オンラインレッスンなどでとっさの板書でも枠を作るクセをつけておいて使う色も決めておくのがいいでしょう。

いろいろなツールを使おう!

 パソコンにはいろいろなツールが入っています。そのどれか1つでもいいので使い方をマスターしましょう。例えば、いくつかのツールでは背景全体に色をつけることもできますので薄いパステルカラーで変化をつけてその上に板書するだけでも華やかになります。文字は黒のままでもいいと思いますが、その他の枠や記号などの大事な部分の色は背景色に合わせた同系色(濃いめ)や隣の近似色(例えば黄色と緑、緑と青、青と紫など)を使って3色(背景色を含めれば4色もOK)くらいでまとめれば、綺麗に見えますし、画面がうるさくなりません。


下記の板書例は春のシーズンをイメージした色配置です。
こちらは全て同系色でまとめられています。

動詞の時制 板書例3

(1)背景色 ➡ ピーチ色
(2)枠線  ➡ ピンク
(3)枠の中の色 ➡ 薄いピンク
(4)大事な部分 ➡ 赤 

 人は美しいもの、きれいなものに惹かれます。そこには「色」が必ずあります。モノクロでさえ黒と白という色で構成されています。現在はデジタルですぐに教材が作れるので、日本語教師が扱う教材は常にモノクロではなくてもいいのです。オリジナル教材は教師の遊び心と綺麗なものを大切にする心を取り入れて完成します。そしてそれは必ず生徒の心に響くはずです。実際、「色」を取り入れるだけで多くの生徒からレッスンの好評をいただいています。生徒と一緒にワクワクしながら日本語学習を進めていきましょう。(今日ご紹介した板書例は全てパワーポイントで作成しました。)

 もっとオリジナル教材(デジタル)の作り方を知りたい方は
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