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考え方

なぜ間接法が必要?

学習者のストレスフリーを目指そう!

 レッスン中、学習者からの質問に対してわかりやすい回答をすることを第一に心がけるべきです。無理をして全ての言動を日本語で通す理由は何もありません。学習者のレベルに合わせてやさしい日本語で話しかけることは大前提ですが、ちょっと複雑な説明をしなければならないときは、英語(又は学習者の母語など)で話した方が、学習者に寄り添ったレッスンとなります。日本語のレッスンなのだから、日本語を話さなければならないという縛りは全くありません。それはかえって学習者を混乱させたり、質問の回答を正確に受け取れない可能性があります。

学習者の生活環境を考えよう

 日本に住んでいる日本語学習者の生活環境を考えてみましょう。例えば、学習者の職場についてはどうでしょうか?同僚や上司がほとんど日本人で日本語を話す環境か、又は外資系の企業で職場ではほとんど英語やその他の言語を話すなど、それぞれ学習者の環境は異なります。もちろん、家族や友達、恋人などプライベートな時間のコミュニケーションは日本語が多いのでしょうか?それとも他の言語なのでしょうか?

 このように考えると、日本に住んでいても実際の生活ではあまり日本語を使っていない環境にいる人もたくさんいます。
そして、どのような生活環境にいようとも、日本語を学びたい人がたくさんいるのです。日本語を学ぶ目的も様々ですので、教師は学習者一人一人のレベルに合わせてレッスン内容を工夫する必要があります。

学習時間を考えよう

 日本語を学びたいという学習者の気持ちを真摯にくみ取って学習者に寄り添う。それは彼らの学習可能時間の考慮にもつながります。例えばプライベートレッスンでは忙しいビジネスマンとのレッスンがとても多いです。彼らの場合、レッスンは1週間に1回1時間のレッスンが多いです。このような状況で、レッスン中、教師は日本語だけを話すことに集中する必要は決してありません。日本に住んでいても英語がメインのビジネスマンもたくさんいます。毎日が英語脳になっている学習者に週1回1時間だけ日本語脳にさせることは正直至難の業です。それでも彼らは日本語を学びたくてレッスンを受けに来るのです。教師の役目は彼らの受け皿となって少しずつ日本語を教えて上達させること、それこそがプロの教師と言えます。

臨機応変に!

 まずは学習者が日本語を理解することが大事です。例えば、学習者が英語圏出身の場合、文型やフレーズの大事なポイントを簡単な英語でポンっと指し示すだけで、彼らの日本語の理解度は深まり、自然と脳に日本語が入ります。このようにして日本語への入り口を学習者のわかりやすい言語で開放させてみましょう。だらだらと長い説明を日本語でするよりも、シンプルな英語を使うほうが一番効率的でわかりやすくなります。ただし、英語ばかりになってしまっては本末転倒です。あくまでも日本語をメインとして、臨機応変に英語も取り入れてみましょう。そして日本語と英語の文の構造は全く異なりますので、「訳す」という観点では注意が必要です。その内容はこちら『間接法のコツ① 訳し方」をご覧ください!